- Story -
――カチリ。
ゆっくりと、オルゴールの蓋が開いた。
淡い旋律が、夜の空気に溶けていく。
どこか懐かしくて、でも、
まだ誰も知らない
未来のような音色だった。
あの夜のことを、いまも覚えてる。
小さなベッドにくるまって、
目を閉じると、
星たちが浮かんできた。
どこまでも遠く、
静かで、透明なセカイ。
触れることはできないのに、
たしかにそこにあった。
まるで誰かが
そっとささやいているようで――
わたしはその声に
静かに耳を澄ませていた。
そのとき、ふと気づく。
鏡の前に掛けたドレスが、
風もないのにふわりと揺れていた。
星のきらめきを映すように、
アクセサリーが小さく瞬く。
並べられた靴たちは、
なにも言わずに、
でもやさしく、
わたしを遠くへ
連れ出そうとしているみたいだった。
この小さな部屋が
星空のセカイとつながっている
――そんな気がして胸の奥がふるえた。
そしてわたしはそっとまぶたを閉じた。
――その瞬間
わたしは部屋になり、部屋は宇宙になり、
宇宙はわたしの内側へととけていった。
すべてが混ざり合って、
ひとつの感情になっていく。
やがて、頬がほんのり熱くなる。
まるで誰かに恋したみたいに、
ときめきがあふれてくる。
あぁ、女の子ってなんて素敵なんだろう。
ねえ——
“想像してみて”
もしこれが夢じゃないのなら
きっとこれは——
“わたしの物語”
わたしの中の、リトルフェミニティ。